10月16日
PM9:00

男は寮に帰ってきた。
扉を開けると靴を適当に脱ぎ、机にカバンを置いた。

「…5分だけ…。」

そう言ってベッドにダイブした。

余程疲れていたのだろう。
彼はそのまま寝息を立ててまるで死んだように眠ってしまった。


―…
PM10:00

男はまだ起きない。

5分はとっくに過ぎたというのに、まだ起きなかった。

…本当に死んでいるように寝ていた。


―…
PM11:15

外に白いものが飛んでいる。


―…
PM11:30

ジッと見つめる目に彼は気づかずにまだ眠り続ける。

「…忘レたトはイワセナイ―…。」


―…
PM11:45

部屋の中に長い髪の毛が入ってきた。

風だろうか…?

この季節にしては暑い風だ。

「……。」

さよならは近かった。