unrequited love

「鏑木、あんま飲み過ぎんなよ。

俺、また介抱するのは勘弁だからな」

圭一さんが、今度は柔らかく控えるように促した。

分かってる。とコクっと頷いたけど

やっぱり恥ずかしさを隠したくて飲んだ。

時計は深夜2時を周りだした。

終電なんてとっくにないから、

オール組と、タクシーで帰る組、徒歩組、

また、それ以外に始発待ちで休憩する組に分かれた。

社内恋愛禁止、と言うのは名ばかり。

実際店長に、バレずにいればよい話。

ケンカしてても業務に支障なければよいので

スリルを楽しむカップルが数組ほどいる。

だが翔太と由紀は、周知の事実で

店長も認めつつあるカップルである。