私は診療内科に着いて行く事に決めた。聖矢に相談したら、兄貴を頼む…… って。


病院に着き、亮さんの名前が呼ばれるのを待っていたら、いきなり看護士さんが……


『あのぉ…… 神崎亮さんの御家族の方ですか!?』


『あッ、はいそうです。』

私は思わず返事をしてしまったけど、どうしよう…。


『ちょっとお話しがあるのですが…… 神崎さんは軽い記憶喪失で、過去に辛い経験とかされてるために、現実と夢が混乱してしまっているようなんです。病院の精神安定剤などでは、なかなか治療ができない状態なんですよ…。』


『じゃ〜いったいどうしたらいいんですか!?』


『うちでは、カウンセリングなどにも力を入れているのですが、神崎さんの場合は、御家族の方にもご協力して頂きたいと思っています。力を貸して頂けますか!?』


『はいッ。わかりました…。でも、いったい何をしてあげたらいいのかわからないんですけど……。』


『まずは、病気と戦うのは神崎さんだけじゃなく、御家族の皆さんも一緒に戦ってほしいんです。精神的からきている病気に、もっとも有効な薬になるのは、周りの環境、周りの笑顔、自分が必要とされているんだって思ってもらえる事が、1番の治療方なんです。』


『周りの環境、周りの笑顔、亮さんを必要としているんだって事を、心で感じてもらえればいいんですね!!』


これから、私達と亮さんの戦いは始まった………