『ただいま〜!!何だ、皆揃って何泣いてるんだ!?』


美麗のパパは、あまり空気が読める人ではなかった。


『おいおい、泣いてばかりいると、飯がまずくなるぞ!!』


美麗は驚いた……… 普段話しかけてもこないパパなのに、どうしてって…。


それは、稟子と七瀬の仲を、昔から知っていたからだった。もちろん、あの事件の事も………


今まで暗闇の中にいた美麗の家族に、光りが差し込んできた。


本当は皆、自分の家族が一番大切なはずなんだよ………


ただ、それを素直に伝える事ができないだけ………


素直になるって、簡単なようで難しい事なんだって思った。