『私ね、昔あんたに憧れてた時があるの………。』


『何言ってんだよ!!私みたいな落ちこぼれに、なんであんたが憧れるんだよ………』


そう言いながら、七瀬は少し照れていた。美優奈は思い出した…… ママが照れるなんて、ボスに会った時以来だって。


『あんたの側には、いつも誰かがいた、あんたは自分の事より、いつも誰かの事を優先して、いつも誰かを助けていた…… それに、誰かと喧嘩をしても、負ける事がなかった。あんたは、可愛くて、強くて、優しくて、いつも皆の人気者だったから………。』


『ちょっとぉ、やめなさいよ…… 子供達の前で恥ずかしいでしょ。私が一ヶ月前、あんたに言った事覚えてる!?これから先ずっと私とつるんでもらうって言った事……… まだあんたの事は、許してはいないけど、あんたの涙を見て思ったんだ…… こいつには、人としての感情があるんだって。悪女だったあんたにも、普通の涙が流せるんだって………。』

その時、二人の目からは涙だが溢れ出ていた。


私達は勇気を持って、ママ達に話しかけた。


『もうお互い意地の張り合いはやめなよッ!!』

美麗の次は、私が言わなきゃ………


『ママ達は、今までずっと我慢して、意地を張り合って、笑う事も、泣く事も忘れてたでしょ!!もう普通の涙なんていらない……… これからは、もっと大切な涙を流して。憎しみの涙じゃなくて、もっと大切な涙ってあるでしょ!!』


皆が号泣している中、美麗のパパが帰ってきた。