オシャレな涙『私の気持ちに気付いて…』

ママはいったい何がしたいんだろう………


ママも美麗のママも、二人して泣き狂ってる…


私にはどうする事もできない…


こんな場所にいても、辛くなるだけだと思った私は、ママ達に気付かれないように帰ろうとした…


その時、後ろから誰かが近寄ってきた。


『誰ッ…!!』


『私だよッ!!ちゃんと顔見なさいよ……… まったく、あんた私にこそこそして何してるのかと思ったら、こんな静かな所に来るし、私のママと美優奈のママが喧嘩してるしで、何が何だかさっぱりわからないんだけど………。』


『黙っててごめん……… 実はね…』


私は、ママ達の過去の話しを全て美麗に話した。


『……… 私のママって、マジで淋しい人だね。』


『………。』


『20年振りの再会なのに、どうしてママ達には笑顔がないの……… 私は、ママの笑顔も涙も見た事がない… でも、たった一枚だけ、産まれたばかりの私を、優しい笑顔で抱いている写真があったの。』


『美麗のママは、笑わないんじゃない…… ただ、笑う事を忘れてしまっただけなんだよ………。』


『…………』


『私のママ《七瀬》だって、絶対に泣かない人なのに、今日は泣き狂ってる……… ママ達は、笑いたいのも、泣きたいのも、全部我慢してるだけなんだよ………。』