『ただいまぁ、ママちょっと来て…。』


『どうしたの…!?学校で何かあった!?』

『じつわね………。』


『もう〜、じれったいなぁ〜 話したい事があるなら、さっさと話しなさいよッ!!』


ママは短気だから、なかなか話しを切り出さない私にイライラしていた。


『だからね、学校に美麗のママが来たんだけど、その人の名前は… 稟子って言うの………』


『………。』


しばらく沈黙が続き、ママが口を開いた。


『稟子の奴、あんたの前にまで出て来て、一体何するつもりなんだ!!』


ママはいつも以上に怖い顔で、紙切れに何かを書き始め、私に渡してきた…


そこに書いてある内容は………


お久しぶりだね、稟子…
私はまだあんたを許したわけじゃない。あんたからは10年前に、あの時の事を謝りたいと、謝罪の手紙をもらったけど、私はあんたが憎くて、絶対に許したくなかった。待ち合わせの場所も書いてあったけど、私は行く事もなく10年が経ってしまったけど、ようやくあんたに会う決心がついたよ。明日の夜19:00、あの時の駐車場で待ってる。


『これ、あいつに私といてくれない…』


ママは、険しい顔で部屋を出て行ってしまった…


長文で書かれた手紙を、私は美麗のママに渡す事となった。