オシャレな涙『私の気持ちに気付いて…』

「美優奈、大丈夫か!?今朝会社に着いたとたんママから電話が入って、陣痛が始まったから今日間違いなく産まれるって言われたんだよッ!!」


「俺は会社に行く途中だったんだけど、おじさんから電話が鳴って慌てて出たら、今日は間違いなく産まれるぞって言われたんだ…… おじさんとは駅で待ち合わせして、急いで病院に来たんだよッ!!」


ママ、私の為に…… 八つ当たりなんかしちゃってごめんねッ。


聖矢は私を抱き抱えて、病院の中へと入っていった…… 今日もやっぱり混雑している…… ママは急いで受け付けを済ませてくれて、私は長椅子に横になりながら、呼ばれるまで待っていた。


私の目の前には、苦しそうにしている妊婦さんがいたの…… もういつ産まれてもおかしくないはずなのに、私に話しかけてきた……


「きょ、今日が予定日です、か……!?私はもうすぐ産まれるかも…… お互いに頑張りましようねッ。」


「は、はい…… かなり苦しそうだけど、大丈夫ですか!?私は出産するのが初めてなんで、不安がいっぱいなんです。」


すると彼女は………


「大丈夫ですよッ!!ハァ…… ハァ…… 痛いのも苦しいのも今だけだから…… 赤ちゃんが産まれてきたら、幸せな気持ちになれるんだもん…… 少しだけ我慢しなきゃねッ…… あ、あ〜〜〜 イタッ…… 産まれちゃう、ハァ〜〜 ハァ〜〜。」


慌てて助産婦さん達が彼女にかけよってきて、出産の準備を始めた…… もしかして、ここで出産するのッ!?


その時………


オギャ〜〜〜 オギャ〜〜 オギャ〜〜〜

赤ちゃんの産声が聞こえてきた…… 小さくて可愛いなぁ〜〜


「おめでとうございます!!元気な女の子ですよッ!!よく頑張ったわねッ。」


彼女は少し疲れきっていたけど、さっきまでの苦しそうな顔が消え、幸せそうな笑顔で私に手を振り、彼女が私に頑張ってと言っているように思えた。

次は私が呼ばれる番だ…… 彼女と出会えた事で、私は少しだけ勇気が出てきた気がする。


「中松美優奈さん、中松美優奈さん、この車椅子にのって分娩室まで行きますので、気を落ちを着かせて下さいねッ。」


車椅子……!?なんだか怖くなってきちゃった…… 私は気を落ち着かせる為に、助産婦さんとお話しする事にした……。