桜の花弁が舞い散る4月

とある高校の門の前でその少女はたたずんでいた

どうやら中に入るのを躊躇っているようだ

真新しい制服のに縫い付けられた名札には「真白 美紅」と刻まれている

追い越し中に入ってゆく同学年の生徒は彼女を不思議そうな目で見ている

何故入らないのか?

彼女は臆病なのだ

新しいスタート地点に入ることを恐れている

「・・・お前、入んねぇの?」

美紅は驚き、びくびくしながら振り向く

「・・・えと、あのぉ・・・」

「ぼーっと突っ立ってねぇで入れよな!!ほれ!!」

見知らない少年が美紅の背中を押す

「ええ!?」

「俺、水沢誡!よろしくな」





これが二人の『始まり』だった