「ねぇ、館山…。」
高橋君に声をかけられた。
「どうしたの?」
と、言った途端高橋君が私の机に自分の机を付けてきた。
「え!?」
「…、ごめん。教科書みせて…。」
伏せ目がちに頼み込んでくる。
…、高橋君てまつ毛長いんだー。
女の私が情けなくなる。
そりゃそうか。
綺麗な顔してるんだもん、高橋君…。
「館山…?」
不思議そうに私の顔を覗き込んできた。
「ほぇ!?」
「…!ぷはっ!」
私が驚いて変な声をあげてしまったから、高橋君は爆笑した。
そして、私が泣きそうな顔をしてるのに気付くと、
「ほんとごめん。…、だって館山が俺の顔がん見してくるんだもん。」
机に顎を乗せ、甘えながら言ってくる。
かぁーっ
私の顔がゆでたこのように赤みを帯びてくる。
だって、だって、そんなに見つめてしまってたし、しかも笑われたし…。
恥ずかしいような、消えてしまいたいような感情がこみあげてくる。
「あー、れ?館山熱?」
高橋君が私の額に手を当てる。
そして、再び赤くなる。
「大丈夫そうだけど…、」
「…!!平気だよ!」
高橋君の顔が直視出来ない。
というか、見てしまったらイケないような気がするし、なんせ私の胸の鼓動が激しくなってしまうから。
と思ったところで、
きーんこーんかーんこーん
HRが始まる鐘がなった。

