私がぼーっとしていると、
ぐいっ
高橋君が少し強引に私の手を引っ張った。
「え?」
「ほら、早く。」
私の小指が高橋君の小指と絡まり、
「ゆーびきーりげーんまーん・・・」
こんなことを言い出した。
「・・・。」
私は今、どんな顔をしているのだろう・・・。
きっと、赤くなってる、と思う。
「よし、これで『祝☆仲良し!』な。」
「・・・、あはは。高橋君__名前、変。」
「え!?ウソだろー、・・・、って笑うな!」
私と高橋君は顔を見合わせ、笑いあった。
心の中で私はずうずうしいかなって思ったけど、
二人でずっといたいなって思った。
廊下には私たちしかいない。
だから聞こえるのは二人の声だけ。
あのとき、気付いていれば。
もっと早く気付いていれば。
高橋君のことを失わなかったかもしれない。
ずっと、友達でいれたかもしれない。
「______ばか。」
どこからかこんな声が聞こえた。