宮内を歩くのも、結局は沢山の人に会ってしまい真星の居場所は無かった



夢見をするにも、慣れない環境のためかなかなかお告げを捕らえることはできなかった



こんな時に…



と歯咬みしてもどうにもならない



ただひたすらに待つ



今の真星には、それくらいしかできることはなかった





夕方になると風の向きが変わるのか、森の濃い深い溺れてしまいそうな緑の匂いが部屋の中にまで入ってくる



なにもする事のない真星にとっては、嫌なその香りでさえ、少し慰めになった気がした