「今日からお前は、未須賀芽亜だ」
あの時、私に名前をくれたのは、貴方だけだった。
親から捨てられた私を見つけて、話し掛けてくれて、笑わせてくれた。
どうしようもなく、嬉しかった。
嬉しくて、嬉しくて、気がつけば、涙を流していた。
そんな私を優しく抱きしめ、包み込んでくれたのも、貴方だけ。
ありがとう。
今まで言った事も無かったけど、感謝してるよ。
誰にも愛されないと思っていたけど、貴方は違った。
私を愛し、誰よりも近い場所に私を置いてくれた貴方に、感謝します。
ありがとう。
今はこれしか言えないけど、受け取って下さい。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう――・・・・
・・・・・・・・・・・
†††††††††
桜が満開を迎える時期、ピンク色に染まる風景。木々の間から抜ける太陽の光が、余計に桜の美しさを引き出している。
その情景に、酔ってしまいそうだ。
そんな桜が咲く、町並みから外れた場所に立つ、和風作りの家屋。
コンクリートマンションが珍しくない現代で、これ程古さを感じる家は、そうそう無いだろう。
一言で言い表せば、古い。
元から人があまり通らない為、この家屋を知っている者は皆無。
あの時、私に名前をくれたのは、貴方だけだった。
親から捨てられた私を見つけて、話し掛けてくれて、笑わせてくれた。
どうしようもなく、嬉しかった。
嬉しくて、嬉しくて、気がつけば、涙を流していた。
そんな私を優しく抱きしめ、包み込んでくれたのも、貴方だけ。
ありがとう。
今まで言った事も無かったけど、感謝してるよ。
誰にも愛されないと思っていたけど、貴方は違った。
私を愛し、誰よりも近い場所に私を置いてくれた貴方に、感謝します。
ありがとう。
今はこれしか言えないけど、受け取って下さい。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう――・・・・
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桜が満開を迎える時期、ピンク色に染まる風景。木々の間から抜ける太陽の光が、余計に桜の美しさを引き出している。
その情景に、酔ってしまいそうだ。
そんな桜が咲く、町並みから外れた場所に立つ、和風作りの家屋。
コンクリートマンションが珍しくない現代で、これ程古さを感じる家は、そうそう無いだろう。
一言で言い表せば、古い。
元から人があまり通らない為、この家屋を知っている者は皆無。