「 そ… それ 誰かに話した?!
―― せ、政府には?!
もしかしたらそこから何か
秘密がわかるかもしれないぞ?! 」
「 …あいつら
『光』の事は、多分知ってる
でも俺達一般市民に、
公表する気なんて、更々ないんだ 」
「 えっ?! 」
「 ―― 今も
あの光は、空を舞い散ってる
真夏なのに、雪が降ってるみたいに
でも、船の周りには
シールドみたいな物が張ってあって
全て弾かれてるのが見える
――― 対策をきちんと練って
その為に、用意された船って事 」
「 ―― 弾かれてる… 」
ユウくんの視線は一度
庭を見回し、泳ぐ様に
ボクには見えない"何か"を見てる
それから
少し眩しそうに、空を見上げた
ボクも慌てて庭に降り
目を凝らして見てみたけど
いつもと同じ庭と、植木と
怠そうにくねるホース
今日も元気に、
花を咲かせるアサガオが見えるだけ
「 …夏の終わりの日に
地球を去る事に決めたのも
その日に何か、起こるのかもね 」
「 ――― 何が、起こるの…? 」
今まで黙って
話を聞いていたアイちゃんが
不安そうに、ユウくんのシャツをつかむ


