「 うん
… 小さな頃は、それが怖くて
一時期は外、出なかった頃もある
でも、学校もあるし
周りとの付き合いもあるし…
そのうち、慣れたんだ
――… けどそれが激しくなって
劇的におかしくなったのは去年
野外ライヴをやってた時
最初は、桜の花びらが
舞い散っているのかと思った
昼だっていうのに
まるで、流星群みたいだったよ
―― でもそれは、
夜になっても止まなくて
シブヤ、シンジュク ――
歩く全ての人達の上に舞い降りて…
テレビで地方を映してる場面にも
ずっと、それが見えてた
…さすがに
頭おかしくなったのかと思ったけど
あの時はまだ、世界は普通に動いてて
ネットの掲示板、必死で調べてたら
同じ物見てる奴らが、
かなりの人数いて、驚いて…
中には、
"怖くて、それで引きこもってた"とか 」
「 そ、そうなの?! 」
「 … 今となってみれば
連絡先、ムリにでも
聞いておけばよかったなって
少し、思うけど…
トンデモ扱いされたり
なんか急に、書き込めなくなったり
荒らされたりしてるうちに…
俺も具合が悪くなって、倒れて…
そして例の号外が
桜の代わりに、道に舞った ――― 」


