空色新聞社 〜アイを叫ぶ15のボクら〜










――― 元々 船は

世界中の人間すべてを
救うためではなくて



地球規模で、何かあったときに
エラいと呼ばれる人々と
そのお気に入りの者だけを乗せるため
ナイショで造られていた船



なのに、皮肉な話で

そういう人々は真っ先に
"LostLove"に感染してしまった



それで慌てた、残りのエラい人々は
地下に一個、街をつくって
残された船を、"LostLove"仕様に変える





最初はもちろん
感染した人間を
乗せるつもりなんかなくて

だけど、把握も間に合わない位の早さで
"LostLove"は蔓延して行き

去年の暮れには
それを把握するための人間さえ
用意できなくなってしまった





そして
" 望む者は、全て乗せる "





"LostLove"に感染しなかった小数の
生きる事を望み、動ける者だけが
結果的に、あの船に集まる事になった





… それが、基地を出る前
駅長さんたちに聞いた
"LostLove" その事の成り行きのすべて