―――― ユウくん
「 そういやよ、なんか一言
あのハンサムボーイに
言ってやんなくてよかったのかい? 」
修理工具ばかりが並んだ
駅名もないホーム
ハンサムボーイか
マサルさんっぽい言い方に
思わず微笑んでしまう
電車と電車の間に走り込み
雨に濡れない様
シャツの袖口に巻いて
携帯の頭を、電車の操縦席に向け
手摺りにつかまり
少し固くなっているドアを開く
「 …ユウくんは
自分の彼女のために
自分の意志で、ロボットに乗ったんです
今更ボクが
何かいう必要はありません 」
「 地面の高さが足りねえや
ちょいと手ェ貸してくれ!!
―――… っと、ありがとよっ!
んなこたねぇやな
親子なんだからよ
面差しも、よく似てらぁ 」
「 … ユウくんは 母親似ですから 」
「 ――― さぁて
機械おっぴろげるぞ 出発だ!! 」


