空洞内に、カチャカチャと音
ダクトの中は
当たり前だけど
猛烈に暑くて ――――
「 このボードに差し替えて…
… ハザマくん これを 」
「 はいっ! 」
ヨッチャン先生に手渡されたのは
携帯の、SDメモリみたいなチップ
「 この街を通っている線路は
左に行けば都心、右に行けば海
こちらからの遠隔操作で
切り替えが上手く行けば
ぐるっと回って、一周も可能です
そして、肝心の電車は今
隣町に行く途中の倉庫に
すべて停まっていて
―― 今はもう、見張りもいないから
鍵を開け、コピーしたそれを使って
運転席に 差し込み口がある 」
「 …… はい!! 」
「 しかしハザマくん
今一度、きみに聞きたい
―― 列車を走らせて、どうする気だ? 」


