ディア・ロマンス




逃げなきゃ、捕まる。

そう直感的、いや、最早確信的に思った。


暁が怖いなんて思わないし、思ったことない。だけど危険だとは心底思うのだ。




コイツは、私が心を開けばどこまでも関わってきそうで。私の過去とか今の状況とか知ったら、暁はきっと面倒になって離れていく。


だから、詩織や光にも言えてない。




誰かが傍から離れていくのは、もう沢山。

失うくらいなら、初めから私には立ち入らせない。


―――詩織や、光、




「(…暁も、ね。)」



どこまで関わらせていいのかはちゃんと分かってる。大事な友達だとしても、私に好意を持ってくれた人だとしても、しっかり゙ライン゙は引いてある。


まだ、そのラインを越える危険はない。




だから、暁にもこのラインは越させない。