「…、……？」
「何マジで分かんねーって顔してんだよ。」
「男って……ああ、」
啓兄のことかな？いや、だって本気で一瞬分からなかったんだよ。仕方ないじゃん。
あ、別に啓兄を男として見てないとかいう訳じゃなくて。ただ他人を当てるﾞ男ﾞという単語に反応出来なかっただけだ。
―――啓兄は、私の中ではﾞ男ﾞの前にﾞ兄ﾞという単語がヒットするから。
「なあ、誰なんだよアイツ。」
「……関係な…」
「誰だっつってんだよ！！」
「(…また叫ぶ…)兄、だけど…。」
怪訝さを露わにし、睨みながらそう呟いた私に一瞬薄く満足げな笑みを浮かべた暁に苛々が増さる。
兄？と首を傾げた暁に、小さくだが頷くと―――――――…
「兄、な。兄…ハハ、」
そう呟き、掠れた声で笑った暁に今度は私が首を傾げる番だ。
