しん、と重たい沈黙を持って静まるリビングは気まずい空気がながれるが。こんなんは月に2、3度あるからこの何年もの間に慣れてしまった。


こんな、ほぼ2人暮らしみたいな環境の中では。




カフェオレを飲み終えた私は、席を立ち洗面所へと向かう。

鏡に映る自分の目を見て、嫌悪感を抱いた。


人を威嚇するような、目つきの悪いこの目が私は嫌い。啓兄との唯一の類似点だけど、やはりこの目だけは許せないのだ。




―――洗顔と歯磨き、簡単に櫛で髪を整え、リビングへと戻った時にはもう啓兄の姿はなかった。


一足先に家を出たのだろう、と頭の中で考え私もさっさと鞄に机の上に置かれた弁当を入れて家を出た――――――の、だが。





「はよー。」



どうして、アンタがここにいる?


「……暁。」




ここで、話は冒頭へと戻る。