その姿をチラッと視界に捉え、直ぐに逸らしたはずの私のそれにあの赤に近い焦げ茶色が揺れた。


あー、コイツまだいんのかよ何がしたい。



若干哀れみを込めた目で見てやれば、ソイツはニヤリと微笑を浮かべ私のいるレジの前に歩み寄ってきた。

長身なのがまた腹の立つ。



「逃げんなよ、玲。」

「いい加減にしないと警察呼ぶ。」

「クールだなー。」

「嘗めてるわけ。」

「別に。被害妄想激しいんじゃねーの。」



この男の目的が分からない上、この男自体何を考えているのか分からない目で私を見据えてくるから不愉快だ。


せめて何か分かり易く感情を表してくれればいいのに、その瞳にそれがないから更に怪訝さが増すだけ。




「……本当に、用は何なの。加島くん。」


はーっと盛大に溜め息を吐き出しながらそう問い掛けてやる。