コンビニの名前が胸元にプリントされた青色の指定エプロンを着用。
長い黒髪は頭の高い位置でポニーテールにする。化粧なんかまともにしたことないから、すっぴん。
お客の同じ年位の女子高生は丹念に化粧を施しているけど、私の場合自分を着飾る意識というのが薄い。いいじゃないかそれですっぴん万歳。
「玲ちゃん、行くよー。」
と。
私の馬鹿みたいな思考を遮断する三笠さんの声がスタッフルームに響いた。はい、と簡単に返事をすると私も先に部屋を出た彼を追った。
前のシフトだったおばさんの先輩と30代の男性先輩と交代して、私と三笠さんはレジにつく。
店内をざっと見た感じ、客は雑誌コーナーに二人だけだ。
一人はファッション雑誌を捲る女性、もう一人は堂々とグラビア雑誌を捲る男性。


