「どうぞ」 コーヒーの香りで少し落ち着いた俺たちは、旧家のリビングにいた。 嵐という男は帰った。 帰らせた。 大事な話だ。 二葉の目がそう語ってる。 「あの、あたし羅未と散歩してくるから……」 「ああ、分かった」 緊張状態って こういう空気のことだろうな。 コト― 「悪かった」