ぼんやりした頭でキッチンへ向かった。 そこにはいつもみくがいた―― 「はっ……俺、泣いてんの?」 ポタッ--- 身から出た錆じゃねぇか。 守ってやれなかった。 なのに くそっ…… 「なんでっ……」 ガンッ--… 情けなくて蹴った小さなテーブルが倒れ バサッ--- 何かが落ちた。 頬を伝う涙も気にせず、俺はそれを拾い上げた。