私は見掛けで判断されるのが大嫌い。
だから私は眼鏡という灰で自分を隠すの。


「麗子~、ホントにその格好で行くの?」
灰原さんにしがみついて学校に行くのを阻んでいるのは灰原さんのお母さん。
お母さんはとても40とは思えない美貌です。
勿論、灰原さんもお母さんの遺伝子をしっかり受け継いでいます。
しかし、今は眼鏡と長い前髪でその美貌は隠れています。
お母さんとしてはまだまだ子供の服を選びたいのです。

「お母さん、しつこい!」
「うぅ、麗子ちゃん可愛いのに~。ぶうぅ~。ケチぃ~!」
お母さん、お歳を考えましょう。
いくら40には見えない美貌だからと言って「ぶうぅ」はないでしょ。

「ただいま~!美恵子!今、帰ったぞ!」
「ヒロくん!おかりえなさいー!」
「チュー」
「ん、チュー」
朝帰りの旦那様と暑いキスシーン。
ホントにお歳を考えてください。
誰が40近い人のキスシーンを見たいのですか!

「もぉ、いい加減にして・・・」
後ろからはまだやらしい音が聞こえていますが無視です。
お母さんとお父さんの仲が良すぎるのも考えてものですね。