桃井さん達の部屋に慌てた様子の旅館の職員が入って来て言います。

「申し訳ありません!只今トラブルがありまして・・・大浴場は使用禁止にさせていただきます。しかし、各部屋に付いています露天風呂の方は問題ありませんので・・・ご使用下さい。」

「・・・分かった」

「では、失礼します。」


桃井さんはとりあえずホッとしました。
しかし、猿飛の事を思い出してまた心配になってきました。

「大丈夫か?光」

「あ、ああ・・・」

考え込んでいたら犬飼が顔を覗かせます。
犬飼も相当酔っていたようですけど今ので桃井さんと一緒で酔いが覚めたようです。

そして桃井さんの考えている事も分かります。

「大丈夫だろ。アイツらなら、なんたってお前の部下なんだからよ。」
そう言って桃井さんの肩を叩きます。

伊達に桃井さんの幼馴染みをやってません。
どうすれば桃井さんが落ち着くのか分かっています。

「と、とりあえず、風呂でも入って来いよ。」
「う、うん。」

桃井さんが風呂に行く準備をします。
そして気が付きます。

「あ、今お風呂使えなかったんじゃなかったけ?」
「あ・・・」



***



「だ、大丈夫だ!絶対、ぜーったいに見ないから!」
「分かった分かったって、」

桃井さんは部屋に付いている露天風呂に入ることになりましたが・・・
犬飼は後ろを向いて目をギュッとつぶり見ないよアピールをしています。

それにちょっとムッとしている桃井さん。

(なによ!私の裸はそんなに魅力がないって言うの!)

・・・・・・
ヘタレ犬飼は自分で墓穴を掘っている事に気付いていません。


この時、桃井さんは気付きませんでした。
酔いが覚めたとは言えアルコールが体からは全然抜けていないことに・・・