「では、日頃の皆の働きにカンパーイ」
「「カンパーイ」」
桃井さんの掛け声と共にみんなの口に一気にビールが入ります。
今日は夏恒例の4泊3日の社員旅行の一日目の夜です。
今回の旅行先は有名な温泉がある旅館です。
部屋に露天風呂がある高級旅館です。
この旅行の目的は日頃の疲れを癒す事と社員同士の親睦を深める事です。
メンバーは桃井さんと3人のお供達です。
***
桃井さん達がいい具合に酒が回って来た所で、
「す、すいません、少し気分が悪いのでトイレ行ってきます・・・」
口元を押さえた猿飛が席を立ちます。
「大丈夫かッ!?」
後輩思いな桃井さんは心配して駆け寄ります。
「問題ない。猿飛は俺が責任をもって連れていく。」
珍しく雉嶋が動きます。
「?そうか・・・じゃ、頼む」
桃井さんはいつも動かない雉嶋が積極的に動いていることに驚きながらも猿飛を心配して雉嶋に後は任せました。
それから数分後にーーー
「ふふふ、じゃ、お願いします。」
「はいはい」
なにやら怪しい影が秘かに動いています。
コードに繋がれたパソコンを慣れた手付きで操作しています。
パソコンの画面に赤く完了の文字が表示された、
と、同時にーーー
「ん?」
全部屋の灯りが消えました。
ですが、1分と経たないうちに明かりが付きます。
一体どうしたのでしょう?
「どうしたんだ?」
「停電・・・?」
桃井さん達も同じようです。


