「太陽、若旅の事好きやろ。」

「な、なな!」

太陽さんは真っ赤になって椅子から転げ落ちます。

今、悠二さんと太陽さんは部活が終わり自主練が終り二人で部室にいます。

なんて分かりやすいリアクションですかねぇ、今の芸能人でもしませんよ。
これを無自覚でやってしまうあたり本当のバカですね。

「なぁ、太陽。勝負しよっか?」

「はぁ?勝負?なんの」

悠二さんは最高にいい笑顔で最高に悪い顔で言いました。

「どっちが先に若旅の服を脱がせるかって勝負。」

「いやいや。色々思いっきり飛ばしてるしッ!」

悠二さんの下ネタに慣れているので普通にツッコミを入れます。

「俺も若旅の事が好きなんだよ。」

「ッ!?」

勿論、嘘です。
太陽さんをからかう為の嘘です。

悠二さんがこんな性格になってしまったのはまた後々にする事にして。

人を疑う事を知らない太陽さんはもちろん大大本気です。

「絶対負けない。今回は本気だし。」

「俺もだよ、太陽。」


そんな会話を聞いている人が一人。
綾香さんです。

「はぁー、何やってんだか。」

綾香さんはやれやれと肩を落としました。