「若旅ちゃん。」
「はい、なんですか?大輝先輩。」
ボールを磨いている綾香さんの側に座って一緒にボールを磨いて上げます。
太陽さんは好きな子には積極的に話し掛けれますが告白は出来ない中途半端なヘタレです。
「もう、大分仕事には慣れてきた?」
「はい。色々と気にかけてくれてありがとうございます。」
「い、いや。先輩として当然のことだし!」
「すいません、先輩。若旅じゃなくて綾香って呼んで下さい。」
「え''ぇ''!!?な、なななんで!」
「あ、いや、若旅って呼びにくいでしょ?」
「あ、ああ。そういうことか・・・」
「嫌ならいいんですけど・・・」
「い、嫌じゃない!!」
むしろ嬉しいし!
っと太陽さんは心の中で叫びました。
「じゃ、俺も太陽って呼んで?」
「太陽先輩ですか?」
「い、や。出来れば太陽って呼んで欲しいな。」
「太陽さん。」
一応先輩ですからさん付けですが、それでも太陽さんはそれだけで大満足です。
素敵な笑顔で綾香さんの頭を撫でます。
綾香さんはそんな太陽さんを見て「単純だな」っと思いながらも後輩の中で一番可愛がられていることが嬉しく思いました。
「送って行くから。」
「ありがとうございます。」
「乗って」
「はい。」
太陽さんは自転車の後ろを差します。
綾香さんは素直に自転車の後ろに座ります。
青春の王道ですね!
「マクドでも行くかー!」
「太陽さん、ゴチです。」
「俺かい。」
でも機嫌のいい太陽さんはきっと奢ってしまうでしょうね。


