~鬼ヶ島社にいて~
「おい、アレって。」
「ああ、吉備団子社の」
そんな隠す様子もない陰口をものともせず。
堂々と歩く姿は男らしくこカッコいいです。
桃井さんの後ろには三人の子分の犬飼、猿渡、雉嶋が横に並んで歩きます。
桃井さんが目指すのは最上階の金棒室です。
そこに親玉がいます。
「ここか・・・」
「間違いない?」
「無論です。」
「行きましょ。桃井さん。」
「ああ。」
しかし犬飼は桃井さんのドアをノックする手が震えていることに気が付きました。
どんなに強くてカッコよくても桃井さんは女性なのです。
「光」
犬飼が桃井さんの震える手を握ります。
「もしダメでも、俺達はお前に付いて行くからな。だから、派手にやろうぜ?」
「涼・・・ふんっ!当たり前だ。」
桃井さーん?
顔が真っ赤ですよー?
あと、横の二人がなにいちゃついてるんだよって顔で見てますよー?
「ふぅー、よし!」
桃井さんはドアをノックもせずにズカズカ堂々と入ります。
そのあとに三人の子分達も桃井さんに続きます。
社員達は突然の訪問者にびっくりしています。
そんな雑魚には目もくれず一直線にここの親玉、大鬼敬悟の所に行きます。
「お前が大鬼敬悟か?」
「そうです。あなた方は・・・」
「吉備団子社の桃井光と言います。」
「ああ、すいません。俺、興味がないものは忘れる主義なんです。」
大鬼敬悟は突然の訪問者にも全く動揺していません。
それどころか嫌味まで言うほどの余裕です。
「どうぞ、こちらへ。ここでは社員達の気が散りますので。」
何処までも嫌味な男です。
通された部屋は会議室です。
「なぁ?!」


