「よう!林檎、またアンタ大事な時に遅刻かい?」
「そ、そんなんじゃないもん!ちゃんと間に合ったもん!」
「で、でも本当によかったです。」 

林檎ちゃんはあの後、ショートしている頭を必死に振り絞りギリギリで入学式に間に合ったのです。

因みに今話しているのは林檎ちゃんの小学校からの友達です。
元気で今林檎ちゃんをからかっているのが 若旅 綾香(あやか)ちゃんです。
弱々しい敬語を使っているのが 青山 雪子ちゃんです。

「アンタ達、部活何にするか決まった?」
「う~ん。部活か・・・どうしよう。」
「ブルー子はどうすんの?」

※ブルーは雪子ちゃんのことです。青山の青と雪子ちゃんのネガティブを掛けて「ブルー子」との愛称です。

「わ、私は仮入部で決めようかと・・・」
「あ、そっか。仮入部期間があるんだ。」
「あ、綾香さんはどこに入るんですか?」
「ふふふ、よくぞ聞いてくれた!私はサッカー部のマネージャーになろうと思う!」
「え!でもマネージャーって出来るの?」
「おうよ!一定の条件が揃えばマネージャーになれるんだぜ!」

段々口が悪くなる綾香ちゃんです。

「う~ん。」

林檎ちゃんは部活動の一覧表を見ています。
その中で一つが林檎ちゃんの目に止まりました。

「(ハンドメイド部?)」

林檎ちゃんの頭の中にメイド喫茶が思い浮かびました。
興味が沸いて活動内容を見るとどうやら手芸部と調理部が合体したようなもののようです。

林檎ちゃんの頭に顔も知らない名前も知らない男の子が出てきました。
その男の子にためにお弁当を作ったり、ぬいぐるみを作る楽しそうな林檎ちゃんの様子が出てきます。

「私!ハンドメイド部に入る!」