「・・・で、私はどうすればいいの?」

白雪さんは親友の桃井さんに林檎ちゃんのことを話ました。
桃井さんは黙って白雪さんの話を聞いています。

その姿は出来る女です。麗しいです。


「ふぅー。」

ブラックコーヒーをすすって空気を吐き出しました。
そして遠くを見る目で話始めました。

「・・・私ね、弟と妹が出来た時嬉しかったけど、やっぱり寂しかったんだ。お母さんを取られたような気がしてさ。」

「・・・桃ちゃん」

「白雪、一人っ子だったからイマイチ分からないかも知れないけど・・・子供にとってみれば凄く寂しかったんだよ。」

「・・・・・・」

白雪さんは何も言えません。
白雪さんは一人っ子で両親に大事に大事に育てられて来ました。なのでそんな感情を抱いたことがなかったのです。

白雪さんはもう一度呟きました。

「私、は、どうすればいいの?」

白雪さんは子供の気持ちを分かってあげられない事が悲しくて悲しくて仕方ありません。
そして、私に出来ることは何かを必死で考えています。


「・・・・・・」

桃井さんは優しい目で白雪さんを見つめて言いました。

「白雪が思っている事を言えばいいよ。どんなに林檎ちゃんを思っているか、どんな気持ちで林檎ちゃんを生んだのか、全部全部ありのままに、ね?」