白雪さんは子供達には平等に愛していましたが、林檎ちゃんはそうは思っていなかったようです。

白雪さんは林檎ちゃんに言われた『大嫌い』の言葉が胸に刺さっていました。

「はぁ」

白雪さんは子供達がみんな学校や幼稚園に行っているこの静かな時間が今は嫌いでした。
静かな時間は嫌なことを考えてしまうからです。

(私はどうすれば・・・)


ピーンポーン

誰か空気の読めない人が来ました。
白雪さんは顔を伏せて居留守を使うことにしました。
ですが、来客は諦めません。

ピーンポーン ドンドン

「白雪ー?」

白雪さんは来客が誰なのか分かりました。
白雪さんは飛び起きて玄関に向かいました。

「桃ちゃん!」
「白雪!」

扉を開けたらそこには桃井さんが立っていました。
白雪さんは親友に突然の訪問にも怒らず桃井さんに抱き付きました。

「桃ちゃん、久しぶり。」
「ふふふ。白雪も久しぶり。」

お姉さん肌の桃井さんが白雪さんの頭を撫でます。
そして気付きます。白雪さんの様子がおかしいことに。
でも、桃井さんは今はあえて聞かず、

「はい、白雪の大好きな林檎持って来たよ。」
「桃ちゃん・・・」

このとき、白雪さんは思いました。

(私は本当にいい親友をもったなぁ・・・)