「お母さん!」
「麗子ちゃん?どうしたの?」
「前髪、切って。」

お母さんはパーっと笑顔になり頷きました。
そう、灰原さんは自分の灰を払うことにしたのです。

「う~ん♪やっぱり、麗子ちゃんは私の子ね。可愛い!」
「・・・・・・」

灰原さんは眼鏡をごみ箱に捨てました。
長かったスカートを少しだけ短くしました。
いつもは前を占めているブレザーを開けました。


魔女なんて現れないから、自分で魔法をかけました。
カボチャの馬車なんてないから自力でお城まで走りました。