「灰原さん。どこに行ったんだろう?」
佐藤さんは灰原さんを探しています。
佐藤さんは灰原さんが授業をサボったことはきっと灰原さんに何かあったに違いないっと思ったのです。
その予感は的中しました。
「灰原さん!」
佐藤さんは壁の陰でうずくまっている灰原さんを見つけました。
「大丈夫?灰原さん。」
「しゃ、とうくん?」
灰原さんは眼鏡と前髪のせいでよく見えませんが泣いていたことは確実です。
佐藤さんは灰原さんを衝動で抱き締めました。
「うぅ、ダメだよ・・・さ、とうさん。」
「好きだ。」
「え?」
「灰原のことが好きだ!」
「・・・で、でも私、こんな格好だし。」
「関係ない!俺は灰原の内面に惚れたんだ!」
「さ、とうさん!わ、私も、佐藤さん、の、事が好き!」
灰原さんと佐藤さんはみんなが呼びに来るまでずっと抱き締め合っていました。
***
灰原さんはめでたく佐藤さんと両想いになりました。
その直後の事です。
灰原さんは職員室の帰りで、愛しの佐藤さんがいる教室に向かいます。
「・・・・・・だよな」
「んな・・・・・・」
ですがどうやら佐藤さん一人ではないようです。
何人かの友達と一緒のようです。
「しっかし、お前も物好きだよな~。あの、灰原と付き合うなんて。」
「そうだよ。お前にはもっと上の女でもゲット出来ただろうに。」
「灰原のどこがいいんだ?」
「お前の価値が下がるぞ?」
灰原さんは佐藤さんの答えを聴くのが恐くて逃げ出しました。
灰原さんは走りながら想いました。
私が悪口言われるのは良いけど、
佐藤さんまで悪く言われるのは嫌だ!
そして、灰原さんは行動に出ました。


