Royal phantom




「あーもう、うぜぇなぁ!」

女は急に目を潤ませて
嗚咽をこぼした

「え……おい?
 泣くな、泣くなよ!」

「だっ…てぇ、連れてって…
 くれないんでしょ…ぉ?
 ひどいわよ…っ少し…くらい
 案内してくれたって…うぅっ…」

「分かったから、
 連れてってやるから泣くな!」

女は柔らかく微笑んで、
紙を差し出してくる。

……全く、
困ったお荷物を背負ったもんだ。