「ねぇ、そこの貴方?」

「…は?」

後ろを振り返ると、良い身なりをした
中学生くらいの女が立っていた。

こんな路地に子供…?

「この会社、ビルなんだけど…
 知らないかしら?」

「道なら警察に聞けよ…」

住所の書いた紙を
差し出したままの女は、
顔を赤くして怒り出した。

「交番が何処か分からないのよ!」

「俺に聞くなよ。
 忙しいから…、じゃあな。」

さっさと店に戻ろう。
そう思い歩き出すものの、
服の袖をつかまれる。