だって風森が学校来るなんて珍しいもん。
あたしは嬉しいんだけどね♪

 「あたしちょっとトイレ行って来るよ」

 「うん」

詩乃が可愛らしく走っていく。
教室にいる男子はみんな詩乃を見てる。

さすがモテ女ですなぁ。

あたしが自分の席に座ると

 「平崎さーん」

あたしの名前を呼ぶ声が聞こえた。
この声はアイツだ。

 
 「何?」

 「うわ、怒ってんの?」

う・・・風森に怒ってるって思われてるよぉ。
え・・・笑顔にならないとっ。


 「お・・怒ってなんかないもんっ」


 「かわい.....」


ん?
今なんて言った?
声ちっちゃくて分かんなかった。


 「...な・・なんで学校来たの?」

き・・・聞いちゃったよぉ・・・。
風森なんてこたえるんだろぉ・・。

 「んー・・・なんとなく」


へ?
なんとなくって・・・・・。
何それ!?

 「そーですかぁ」


もぉ~・・。

風森は笑いながらあたしを見つめる。
その笑顔がカッコよすぎて顔真っ赤になりそうじゃんかぁ。


風森があたしの前の席に座り、小さな声で話し出した。

 「平崎はさ、将来なりたいもんとかあんの?」

え、いきなり話変わったんだけど・・・。


.....んーあたしってなりたいものとかないなぁ。
昔はお嫁さんとか言ってたんだけど、今この顔で言ったら気持ち悪いって言われそうだもんな。

 「んー・・・特にないかな」

 「そーなんだ。.....俺はさ・・・サッカー選手とかが夢だったりするんだよな。まあ、ムリだろうけど。」

サッカー選手かぁ。
風森ならなれると思うけどな。

あたしは風森をじっと見つめる。

 「ムリなんかじゃないと思うよ?風森ならなれるって♪」