「あ、碧葉。何頼むか決まった?」

視線に気づいたのか、陽太がこちらを見る。

その顔は、

星夢華に向けていたのとは違う、

自信のなさそうな表情だった。

「・・・・決まった。お前もさっさと決めろ」

言いようのない苛立ちを感じて、

閉じたメニューを陽太の顔面に

ぶつけてやった。

前方の二人が息をのみ、

周りがざわついたような気がしたが、

睨むと潮が引くように静かになった。


一体なんだというのだ。

このファミレスの客も、不愉快なこの腹も。