ホストと芸能人 × ヘタレと毒舌《コラボ》

立っていた場所が悪かったのか、

相手が慌てていたのか。


反射的に手を伸ばし、

転倒しそうな体を支える。

「気を付けろ」

私にぶつかってきたのは、

髪を二つに結んで前髪をピンで留めた。

よく言えば真面目、

悪く言えば一昔前の女学生だった。


「すみません。ありがとうございました」

礼儀正しく言う彼女を見て、

ふと何かが引っ掛かった。

どこかで見たことがあるような

気がしたのだ。

──はて、どこで見たんだ?

内心首をかしげながら、支えていた体を離すと、

彼女は足早に歩き始める。