みなさんは、伝えられない思いってありますか?

私はあります。

0歳のころから君の隣にいて君と笑ってきた。

けど今も君は私の思いに気づかない…

ねえ、本当に気づいてないの?

気づいてよ、

君が大好きだってことにさ。





「このポンコツめ!!」

あたし、篠葉美雪(しのはら みゆき)寝坊しました。

入学式なのに…

親はまだ起きてこないし…

だめだ、こりゃ。

「お母さん、お父さん起きて―!!!!!!!
 てか、起きろっつーの。」

あ あたしの機嫌も悪いね。

高校生になったら毎日髪サラサラで、

オシャレに制服を着こなして、

すっぴん卒業するつもりだったのに。

時間のせいで計画はゴミ箱行き。


ようやく起きたお母さんとお父さんはゆっくりお茶を飲んでる。

「もう行くよ!!ちゃんと着てよね!??」

バッターンッ!!!!!

勢いよく、勢いつけすぎにドアを投げてきた。

「うわー怪力女の登場だ。朝からこえーな、一応女だろ?」

え げ コイツはコイツは…朝からなんてウザイことを。

コイツの名前は 福未健太(ふくみ けんた)。

0歳からのウザい幼なじみ。

そして、あたしの初恋の彼。

「しょーがないでしょ?
 で、なんでアンタがここにいるの?」

頭をぽりぽりかきながら、健太は、はにかんだ。

「お前どーせ行く奴いねーだろ?だから俺様一緒に
 わざわざ行ってやろうかと」

きゅんっ、

なんでこんな優しいの?

あたし1時間も寝坊したのに…

1人でずっと待っててくれたんだ。