「あ！そうだった」
「忘れたフリしないの！
悠紀くんにぞっこんなくせに〜」
「っ////
お、大きな声で言わないでよ〜！」
そう。
私には高校一年の時から付き合っている
藤沢悠紀という、彼氏がいる。
あたし達は、下の名前が“ゆう”で始まるから
周りの人たちから『Wゆうカップル』
なんて呼ばれてるんだ。
誰がそんなダサい呼び方決めたんだか。
「そ、そういう茜にだって彼氏いるじゃん！」
茜にも、彼氏がいる。
池田隼人。
この学年で結構目立っているイケメンで優男の彼氏。
だから、この２人は『美男美女カップル』
って呼ばれてるの！
「うふふ〜、カッコイイ彼氏でしょー？」
「今、ノロける所じゃないでしょー！」
「はいはい、ごめんなさいね」
ほんとにもう、隼人君と茜は
らぶらぶ過ぎて困る。
まあ、茜が楽しそうだから
全然いいんだけど。
「はぁ、疲れたわ！」
「あはは～
てか、今日一緒に帰るんでしょ？」
「‥‥うん」
「なんでそんなに、下げポヨなのよ？」
ちょ、茜さん、下げポヨって‥‥
「‥‥ちょっとね」
「ちょっとねって何よ！
親友の私に隠し事するつもり!?」
ﾋﾞｸｯ！
だから、声大きいってば‥‥
「す、すみません。
ちゃんと話しますよ」
「うん、よろしい。
それで？何があったの？」
茜には、逆らえないなぁ。
「実はね‥‥、
