「って、ここなの?」
足が速い茜に、一生懸命着いてきて
到着した場所はいつもあたし達が
放課後に立ち寄るカフェ。
「そうよ。隼人が場所はあたし達で
決めてって言ったから、ここにした。
いつも通い慣れてる場所なら、
変に緊張しないでいいでしょ?」
「まぁ、そうだけどさ。
それより、隼人君の友達って誰なの?」
「知ってるけど、教えない♪」
とびっきりの笑顔でそんな事を言われれば
言い返す気になるはずもなく、
「ふーん。とりあえず、中に入ろう」
「おぉ!気合い十分?」
「違うから。もう、早く入ろう!」
「はいはーい」
店の中に入り、席をとって
茜と他愛もない会話をしていると、
「あっかねー!待たせたね、ごめん!」
あたし達の姿を見つけた瞬間、猛スピードで
近付いてきた茜の彼氏こと、藤沢隼人君。
「大丈夫!全然待ってないよ!」
「あいつがなかなか承諾してくれなくてさ。
説得するのに、時間かかって」
「あいつ?誰と一緒に来たの?隼人君」
「あれ、茜から聞いてない?
一緒に来たのは「おい、隼人」
