最悪。の逆!? ~素直って何ですか~



━━━━ザワザワザワザワ
席替えが終わった後だからか、
みんな騒いでいる。
こういう所は中学生の時と
あんまり変わらないんだ。

「はいはい!静かにしてください。
 えー、席替えをしたので、
 隣の人と自己紹介しましょうか。
 時間も余ったことですし」

えー。私の隣ってあいつだよね。
自己紹介とか、いらないんだけど。
そんな事を私が考えている間に
他のペアは続々と自己紹介を終えている。
はぁ、仕方ないか。
そう思って隣の席の方に体を向けた。

「スースースー」

っっっっって!!!
イケメン腹黒野郎寝てんじゃん!
規則的な呼吸が聞こえる。
あー、爆睡ですか。
この短時間で爆睡ができるのね。
イケメン腹黒野郎を冷たい目で見ていたが、
全く起きる様子がない。
もう、腹をくくるしかないか。
私は爆睡されていらっしゃる人に向かって
独り言のように自己紹介を始めた。


「私の名前は中岡友莉。よろしく」

こんな感じでいいのかな。
はー、なんか寂しいな(笑)
他のペアはすっかり仲良くなってる。
私も友達増やしたかったのにな。
全部こいつのせいだ。
そう思ってじっと睨んでいると、

「なに?いい加減ウザいんだけど」
「はぁ!?」

びっくりし過ぎて、大声を出してしまった。
一気に私に視線が集まる。
み、皆さん‥‥視線が痛いよ。

「フッ」

あ、笑った。
意外と可愛い顔して笑うのね、こいつ。
てか、私なんでウザいって言われたんだろう。
よく考えてみたら、おかしいよね。
そんな事を考えてたら、むかついてきた。

「私は決してウザくない」
「は、お前反論すんのかよ」
「はぁ!?」

またまた大声を出してしまった私。
私は本当に女なんだろうか。

「それがうぜえんだよ。
 俺は赤羽草平。よろしくな、ウザ子」
「ウザ子ってなんなのよ!」

って、また寝てるし。
こいつと話したら、とことんむかつくな。
もう、話すのはやめよう。
私も寝ようかな。

「自己紹介は終わりましたか?
 はい。では次に‥‥」

私はここで意識を手放した。