━━━━友莉side

「って言うことがあったんだよ」

今、私は茜と電話中。
悠紀と別れた事を報告したんだけど、
その後にあったことの方がむかついたから
あのイケメン腹黒野郎の愚痴を
永遠と語っていた。

「へぇー、そんな事があったんだね。
 なんか思ってたより元気そうで安心した」
「私も。もっと泣くかなって思ってた。
 でも、あのイケメン腹黒野郎のせいで
 何か吹っ飛んじゃったんだよね」
「そっか。
 言われた言葉は確かにむかつくけど、
 元気になれてるんだから、
 感謝しなきゃじゃん?」

んー、茜が言うことも、一理ある。
でも、

「それでも、むかつく!!
 あんな奴に感謝したくない!」

なんか感謝したら、
そこで負けな気するから!

「‥‥はいはい。
 今日はお疲れ様でした。
 色々ありすぎて疲れてるだろうから、
 もう、今日は寝なさい。
 また明日話聞いてあげるから、
 じゃあね」
「えっ?ちょ、ちょっと「プッープッープッー」

むなしい機械音が私を余計惨めにした。

話終わってないのに電話切らないでよー!
はぁ、今日は疲れた。
悲しい事から、むかつく事まで‥‥。
あぁ゛ー!もうっ!
考えたら、苛々するから、寝よう。


「もうっ!おやすみ!」

私は自分の部屋で一人でいるのに、
すごく大きな声でおやすみと言った。
リビングでは、その声を聞いた私の両親が
不思議そうな表情をして顔を見合わせていた。