4月になり、ついに英王とのお別れの時がやってきた。


英王はバイトをしながら講義にもキチンと出席し、卒業に必要な単位を全て履修することが出来た。


そんな英王を美姫はとても誇りに思っていた。


それまではいつも楽しく幸せに過ごせるように我慢していた美姫も、成田空港で英王を見送った時には、それまでの想いが溢れて涙が止まらなかった。


「泣かないで」


英王は美姫を抱きしめた。


「体に気を付けて、早く帰ってきてね」


美姫は泣きながら声を詰まらせながらも、精一杯の笑顔を見せた。


「帰ってきたら結婚しよう」


「うん」


美姫はこっくりと頷いた。


こうして英王は美姫を残し、アメリカへと旅立っていったー。