「いつまでそんな馬鹿面をしている気だ」

カラコロと下駄を鳴らして近付いてきた

碧葉の言葉に我に返る。

「ウェ!?あ、いや、まさか碧葉まで

浴衣を着てくるとは思わなくて・・・・」

思わず正直な気持ちを口にすると、

碧葉が鋭く舌打ちをした。

「・・・・私も綾香だけが着るものとばかり

思っていたが、気が付いたら

姫華と綾香によって身ぐるみをはがされて

着させられていた・・・・

おまけに顔に色々塗りたくられるし、

最悪だ」

本気で嫌そうな碧葉さん。

でも綾香姉さんと、

まだ見ぬ碧葉のねーちゃんに伝えたい。

――You’ve done a good job.

 I can’t thank you enough.
(なかなか上手くやりましたね。

 お礼の申しようもありません)