我が家は昔ながらの木造の家で、

バブル時の開発に飲まれることなく、

昔のままの姿で残っている。


よく「サザ○さん」の家と言うと

納得してもらえるような佇まいだ。


そんな家における、私の第2の聖域――台所に、

血相を変えて姫華が飛び込んできたのだ。

しかもその手には携帯電話がしっかりと

握り締められている。

その様子を見て、私は情報漏洩の経路を把握した。