「あ、碧葉。また明日な」

「ん」

すれ違う時に声をかける。

言葉とも言えないような返事だが、

その瞬間彼女が見せる表情は

不思議なものを見るようで、

いつもよりも幼く見える。


そんな顔を見られるなら、

あんな返事でも構わないと思う辺り、

きっと俺の恋の病ってやつは

重症なんだろうな。


そんなことを思いながら、

俺は修輔と一緒に踵を返して

その場を後にした。